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チームNRSは、2駆部門やRB車両の廃止などをはじめ諸事情により、この2年あまり全日本ラリー選手権のラリーは活動を休止していた。しかし、ベテラン?若槻幸治郎の「どうしてもラリーをやりたい」という気持ちの高まりと、周囲の全日本ラリー選手権の実情を知りたいと言う気持ちが一致して、グラベルラリーを中心に2〜3戦トライアル参戦することを決定した。2〜3戦ではシリーズ上位を狙えるわけでもなく、チーム員としての個人参加である。したがって、ナビゲーターの決定を始めとする体制作りには困難を極め、一時は参戦前リタイヤか?と言う状況であった。

しかし努力は実を結び、なんとか復帰第1戦として選択できたのが「2008MSCC東京ラリー」だ。今シーズンの全日本戦は全10戦で争われるが、そのうちグラベルラリーは半分の5戦(うち1戦はターマックへの変更が噂されている)で、MSCC東京ラリーは第5戦として開催され、グラベルラリーとしては九州ラウンドに続いて2戦目となっている。

車両は、当初使い慣れたHK-11マーチでの参加を計画していたが。マーチの属するJN1クラス(1400cc以下)はグラベルラリーで成立しにくいという現状と、「自費で出場するなら、結果より走って楽しいグラベルラリーが良い」という若槻の強い思いから、JN2クラス(1501〜1600cc)に適合するN-1レース仕様車“最強のテンロク”パルサーが存在し、JN2クラスは1.6リットル4WD車ダイハツ・ブーンが存在し、グラベルラリーでも確実に成立している事からパルサーへのスイッチを決定した。

ラリーは福島県東白川郡棚倉町を中心とした約340kmのルートで開催された。福島県とは言え、ルート中は茨城県も通過する県境付近ということもあって、関東からは比較的近くエントリーは全日本戦だけで50台。ランサー、インプレッサのJN4クラスが19台、1601〜2000ccでセリカやインテグラが中心となるJN3クラスが6台、チームNRSが参戦するJN2クラスが13台、今シーズンから始まった1500ccマシンがしのぎを削るJN1.5クラスが6台、JN1クラスが6台という内訳だ。

今回のラリーは2デー2レグ制が採用されていた。1レグとなる1日目は土曜の朝8時にスタート、夕方にゴールし、2日目の2レグは日曜朝6時半スタート、昼頃フィニッシュという設定だ。総走行距離は約340km、SSは1レグに7本、2レグに5本の計12本約71kmで争われた。

各SS距離はSS1/4が同じ林道を使用する8.2km、SS2/5が同じ林道で11.4km、SS3/6がギャラリーSSで500mのショートSS、SS7がSS2/4の前半部分だけを使用する2.7kmとなり、1レグSSトータルは43km。2レグはSS8/10が同じ林道で9km、SS9/11が同じ林道で5km、そして最終SSが500mのギャラリーSSの2レグトータル28kmという設定だ。

ラリーがスタートするとJN2クラスでは若槻がSS1では10番手タイムと今ひとつ振るわない。JN2クラスは6台が4WDのブーン勢で、グラベルでブーンに遅れを取るのは覚悟していたが、田中伸幸ミラージュをはじめディフェンディングチャンピオン高橋悟志レビン、山口清司レビンなどにも大きく遅れを取ってしまう。

若槻も久しぶりのラリーで勘が戻っていないこともあったが、ロングSSでは後半で体力的に辛くなったこともあり、また完全な練習不足が露見した格好だ。この差はSS2以降も大きく変わらず、残念ながら上位陣との差は開く一方だったが、このラリーは同じ林道を各2回ずつ走行することで、2回目には路面の荒れ具合が酷くなり、バーストやコースアウト、さらにはメカニカルトラブルに見舞われるマシンが急増した。

今回のラリーでは全日本戦のほかにイノベーションクラス、地区戦として東日本選手権も併催されたことで、合計84台が出走。若槻のゼッケンは35だったが、2回目の走行ではフルエントリーのラリーが2回通過した勘定になり、JN1にストーリアで出場した大ベテラン綾部美津雄も「今までにない荒れ具合だった」と語っていたほどハードなラリーとなった。

だが、そのためJN2クラスもリタイヤ車が続出。若槻は決して完走ペースに抑えたわけではないが、幸いバーストが1本もなく、1日目は完走8台中6位で折り返すこととなった。JN2トップは平塚忠博ブーンで、なんと総合7位に入るほどの速さで、2番手の田中ミラージュに50秒差をつけるブッちぎりのトップを維持している。

ところが2日目に入ると若槻にも悪夢が襲いかかった。2日目最初のSS8では後半にタイトなコーナーが続くこともあり、体力的な問題からまさかのクラス最遅タイム。だが、続くSS9ではパルサーにマッチした中高速コースだったこともあり、このラリー初の4番手タイムをマークすることができた。また、このSSではトップの平塚ブーンがミッショントラブルでリタイヤしたこともあり、順位も5位へと浮上。

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若槻は、これで気を良くしてオーバーペースになったわけでは決してないが、SS10スタート直後にコースアウトし立木に激突。タイヤがもぎ取れるほどの衝撃で完全に立ち往生。残念ながら15年ぶりのコースアウトリタイヤを喫することになった。

JN2を制したのは、若槻が05年京都ラウンドで2位に入った際の優勝ドライバー村田康介ブーン。2位にはとてもFFとは思えない速さを披露した田中ミラージュが入った。若槻は、そのまま完走していれば恐らく5位という順位だっただけに、非常にもったいないラリーとなった。

一方、JN4クラスではことし初のグラベルラリーとなる新型ランサー・エボXを駆る奴田原文雄と、新型GRBインプレッサを駆る勝田範彦の対決に注目が集まった。だが、両者ともマシンの熟成が今ひとつなのか、ラリーは旧型ランサー・エボIXを駆る石田正史がリード。勝田に30秒以上の差をつけて今季2勝目をあげた。

また、注目の新型車対決では、奴田原がSS5でバーストを喫して3分以上遅れたこともあり9位と惨敗。ただ、後半はベストタイムを5箇所でマークするなどエボXの速さも見せつける格好となった。今後の対決が楽しみだ。

JN3ではグラベルラリーでは久々に完走したと苦笑する森博喜が優勝。同じくセリカの岡田孝一が2位と珍しく?セリカのワンツーフィニッシュとなった。JN1.5ではベテラン大庭誠介コルト、JN1では同じくベテラン綾部美津雄ストーリアが優勝。荒れたラリーを制したのは、やはりベテラン勢という印象が強いラリーだった。

(本文中は敬称を省略させて戴きました)